「おまえが好きだって言ってんだ、つらら」
「それとも、つららの姉さんは年下の男は嫌かい?」
「そ、そ、そんなことは!」
金色の瞳をぐるぐるさせて慌てる女に、リクオはいささか気まずげな顔をして、
「生まれた時から知られてんだから、おまえに何も隠すこともない、
おまえから見りゃ頼りないとこもあるだろうが」なんて殊勝な事を言う。
もちろん女がどう反応するのかなんて分かった上での振る舞いで、
「そんな!リクオ様は誰よりも頼りになる殿方です!」
そんな、予想通りの答えを返され、よしとばかりに話しを進める。
「なら、いいな」
「はい!」
「祝言はいつにする?やっぱ冬になってからだよな」
「・・・・はい?」
「よし、さっそくじじいに報告するか」
「りりりり、リクオさま!!」
畳み掛けるように強引にもっていき、最後は力技で、
リクオは真っ赤な顔で混乱する雪女をひょいと腕に抱き上げた。
「おまえとオレの子はどんなだろうな、つらら」
そう、楽しげに笑って。
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