「おい、・・・・つらら?」








今日はことのほか気温が高く、さすがに堪えたのだろう、

ふらりと倒れてきたつららの体がとさりと腕に落ちてくる。

その細く柔らかな体。

こんなんでいつも戦ってんだなオレの側近頭は。

なぁつらら、わかってんのか、

おまえがオレを守りたいようにオレもおまえを守りたいんだ。

たとえそれが夏の暑さでもだ。

「す、すみません、リクオ様」

「いいから無理すんな、このまんま部屋まで運んでやる」

ふわりと抱えあげれば長い黒髪がさらりと腕から流れ落ちる。

ありがとうございますと、そんな弱弱しい声なんざ聞きたくねーんだ。

おまえはいつだって元気なつららでいてくれよ。

そう胸の中で呟いて、ひんやりした額にそっと口付けた。










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